黄体形成ホルモン
黄体形成ホルモン(Luteinizing Hormone、LH)は、脳の前垂体から分泌される性ホルモンの一つで、主に性的特徴の発達と生殖プロセスの調節に関与します。LHは卵巣と睾丸の活性化を調整し、特に女性の月経周期や排卵、男性のテストステロンの産生に影響を与えます。
以下は、LHの主な役割に関する詳細です:
- 女性の月経周期: LHは女性の月経周期において重要な役割を果たします。月経周期の中で、LHの急激な上昇が卵子の排卵(卵巣から卵子の放出)を誘導します。この段階を「LHサージ」と呼びます。卵子が卵巣から排出されることで、妊娠の可能性が高まります。
- インプラント前黄体(Corpus Luteum)の形成: 排卵後、卵胞は黄体に変わります。黄体はプロゲステロンというホルモンを産生し、子宮内膜を準備して胚の着床に備えます。LHの存在は、黄体の形成と維持をサポートします。
- 男性のテストステロンの産生: 男性において、LHは睾丸に存在するレイディッヒ細胞を刺激し、テストステロンの産生を促進します。テストステロンは男性の性的特徴、筋肉の発達、骨の健康、精子の生産に影響を与えます。
LHは、性ホルモンのバランスを維持するために重要であり、月経周期や生殖能力に不可欠な役割を果たします。LHの適切な調節は、健康な生殖機能を維持するために必要です。異常なLHの分泌は、月経不順、排卵障害、不妊症などの問題を引き起こす可能性があり、医師の評価と治療が必要となることがあります。